内縁関係の不当破棄事例

状況

内縁関係にあったXさん(当時46歳)は,Yさん宅に土曜日毎に宿泊。Xさんに結婚話が持ち上がったのをきっかけにYさんが実家に結婚を相談してくるといって帰ったものの,結局は反対だったとして,それっきり帰ってこなくなりました。

 

Yさんは養子縁組をした夫婦であると近所に触れ回っていました。Xさんは内縁関係の不当破棄を理由にYさんに慰謝料請求をしました。

 

弁護士の関わり

弁護士は,Yさんに訴訟提起。最終的に275万円で和解成立しました。

 

補足

内縁とは,届出を欠いているが婚姻と同様の実態を有するものであり,婚姻に準ずる関係「準婚関係」と実態把握し,したがって内縁についても婚姻について認められる法的効果を付与すべきであると考えられています(中川善之助「婚姻の儀式(一)~(二)法協44巻1,3~6号参照」。

判例は,基本的には婚姻予約と考えていますが,「男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては,婚姻関係と異なるものではなく,これを婚姻に準ずる関係というを妨げない」(最高裁第二小法廷昭和33年4月11日判決・民集12巻5号789頁)として,準婚理論の影響を受けています。

 

判例の考え方によれば,正当理由のない内縁関係の解消は,婚姻予約に反するものであり,債務不履行として,学説やその影響を受けた考えによれば,準婚という身分関係を破壊する行為であるとして理解されることになります。

 

そこで,内縁関係の不当破棄,逆にいえば,正当理由のある内縁解消とはどのような場合かが問題となりますが,民法770条に準じて理解されるべきことになりますが,裁判例において認めたものとして,①過度の性交を強要し,妻を性的玩弄の具に供し,かつ暴行等に及ぶ,②同居に絶えざる虐待,③侮辱的な言辞を弄し,かつ暴力に及ぶ,④相手方の性的欠陥等について容易に正当事由を認めていますが,○ア相手方の健康状態,○イ精神病,○ウ性格の相違,○エ内縁前の異性関係や前歴,○オ方位・年廻り,○カ親族との折り合いなどについては,概ね内縁解消の正当事由なしとしています(家事実務研究会編「家事財産給付便覧」1・550の4頁参照)。

 

ところで,内縁関係の不当破棄に伴う損害賠償については,解消の際の「財産的調整」を行うについてその破綻に至る過程の複雑さ,解消の態様等をみるとき最終的に全体的公平さを維持するために必要とされるものであると理解され,身分関係を解消する事由と損害賠償責任を発生させる原因とは次元を異にするとされています(唄孝一「内縁解消の正当事由」家族法体系Ⅲ,小山昇「離婚慰謝料と財産分与の諸問題」判タ294号参照)。

 

したがって,不当破棄の有責性に財産分与的な要素を加えたりすることが可能であり,通常の不法行為責任よりも広い概念になる(木幡文徳「内縁の不当破棄責任」判タ747号160頁参照)とされています。
 

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