違法な給料ファクタリングにご注意下さい。

 
 「給料ファクタリング」とは、サラリーマンなどが給料日に勤務先から受け取る予定の給料を業者が前もって債権として買い取り、現金を融通するものです。
手数料は年利換算で法定金利の10倍以上になるケースもあり、違法なヤミ金融ではないかが問題となっています。
 
新型コロナウイルスの影響で、生活に困窮する人が「給料の前借りサービス」など手軽さを売りにした気安さから安易に手を出してトラブルになっているケースが多発しています。

金融庁の見解

この点、労働者が賃金債権を譲渡した場合であっても、直接労働者に対して支払わなければならず、譲受人に対して支払うことはできない(最高裁第三小法廷昭和43年3月12日判決・民集第22巻3号562頁、労基法24条1項)ので、実質は譲受人から労働者への金銭の交付、労働者から譲受人への金銭の返還が予定されており、その他の回収の余地がないことから、経済的に貸付同様の機能を有しており、貸金業法2条1項の「貸金業」に該当するという見解を金融庁が出しています。
 
したがって、「貸金業」の登録なく、業として「給料ファクタリング」を行い、年利換算で法定金利を超える金利を取ることはヤミ金と同じであるといえます。
 
他方、これに対する業者側の反論もなされています。
 

裁判例

東京地裁令和2年3月24日判決は、給与ファクタリング業者(原告)が、債務者(被告)に対し、7万円の債権を4万円で買取り、4日後に支払う契約で買戻し日の設定がなされ債務者が支払いを怠ったことにより、業者が債務者に対し支払いを求める訴訟を提起した事案について、
① 本件取引における債権譲渡代金の交付は、「手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法」による金銭の交付であり、貸金業法や出資法にいう「貸付け」に該当する。
② 原告は業として「貸付け」に該当する給与ファクタリングを行うものであるから、貸金業法にいう貸金業を営む者に当たる。
③ 本件取引について、年850%を超える割合による利息の契約をしたことが認められる。これは、貸金業法42条1項の定める年109・5%を大幅に超過するから、本件取引は同項により無効であると共に、出資法5条3項に違反し、刑事罰の対象となるものである。
 したがって、原告の不当利得返還請求は、年850%を超える利息の契約で、出資法5条3項に違反し、刑事罰の対象となる契約であるから、不法原因給付に該当し、被告は交付を受けた金銭の返還義務を負わない。
として、業者の債務者に対する請求を棄却しています。