土地(宅地転用可能な農地)の売買契約後、手付倍返しを主張して契約解除した事例


相談内容

相談者Yさんは農地の所有者でした。その農地を近所のXさんに売買するという契約を結び、内金として代金の半額70万円をもらい、仮登記移転を行いました。ですがXさんはその土地を宅地として利用するつもりのようでした。宅地にするには農地転用が必要であること、親戚から反対されていること、土地の価格が安く見積もられていることからYさんは売買契約を解除し、土地の返還を受けたいと考えました。
 

争点

手附の倍額を償還することで契約は解除できる(「手附倍返し」といいます。)が、「履行の着手」(客観的に外部から認識できるような形で、契約の履行行為の一部をなしたこと)を行っていると、このような契約解除はできなくなります。
Yさんが仮登記移転をしたことが「履行の着手」になるかどうかが問題となりました。
 

弁護士の提案内容

① そもそもXさんは農業従事者ではないため、農地の売買をするには農業委員会の許可が必要だが、契約上農業委員会の許可を条件としていないので、売買の効力が発生しないとして争う。
② 契約が成立するとしても手附倍返しの主張を行い、契約を解除して土地の返還を求める。
 

結果

XさんからYさんへ売買契約に基づく所有権移転登記の裁判が起こされました。
それに対し、Yさんの立場からの主張を行いました。
尋問が終了したところで、裁判上の和解になり、Yさんが内金70万円の手附倍返し+実費を支払うことで、Xさんの仮登記を抹消し、土地の返還を受けるという内容の和解をしました。
 

弁護士の所感

内金の倍額は売買代金そのものの金額になりますが、もともと宅地に転用できうる農地であることから、土地の客観的評価は、経済的には宅地並みの金額であるはずです。したがって、このような解決には十分ご満足いただけました。
「履行の着手」があると契約解除ができない理由は、履行の準備段階に入った相手方の信頼を保護するということなので、買主であるXさんが売買代金の準備をするなどすることが必要です。内金が代金全体の半分で、かつその金額を支払っているので、そもそも内金は手附なのかどうか、「履行の着手」もあるということにならないかは実は微妙かもしれません。しかし、裁判では、そのような主張がなされることはなく、Yさんの仮登記が「履行の着手」だという主張のみでしたので、それは違うでしょ(売主側の準備行為に過ぎない)という反論だけで十分でした。


(平成31年4月13日原稿作成 担当弁護士 森 本 精 一)

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