不動産賃貸契約

yamashita.jpg   不動産賃貸契約には、抑えておいた方が良いポイントがありますので、下記に記載致します。不動産は金額も大きく、失敗は許されません。

そのため、個別の事案に関しましては、不動産に関する事案の経験が豊富な弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

契約の更新

契約の更新には、大きく土地に関する契約の更新と建物に関する契約更新がございます。また、賃料の更新も重要な更新の一つと考えられます。
 

① 土地賃貸借契約の更新

建物所有目的の土地賃貸借契約の期間が満了した場合は、その契約を更新するかどうかが問題になります。賃貸人は、「正当事由」がない限り、期限が満了しただけでは明け渡しができません。「正当事由」とは、借地権設定者及び借地権者が土地の使用を必要とする事情を主たる要素として考慮し、借地に関する従前の経緯及び土地の利用状況、借地権設定者が土地の明け渡しの条件として土地の明け渡しと引き換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申し出をいた場合におけるその申し出を考慮して判断する(借地借家法6条)ということになっています。

 

期限到来と共に確実に明け渡しを求めたい場合は、定期借地契約を締結する必要があります。
更新には、当事者の合意に基づく「合意更新」と、当事者の合意に基づかない「法定更新」の2つがあります。
 
ア 合意更新について
合意更新とは、当事者の合意に基づき賃貸借契約を更新することをいいます。
契約期間が満了した場合で、更新を選択した場合、まずは当事者同士で話し合いますが、更新期間について法律上の制限がありますので、その点注意が必要です。

 

平成4年8月1日以降に成立した借地契約については借地借家法の適用があります。
借地借家法の適用のある借地契約は、建物の種類を問わず存続期間は30年です(借地借家法3条)。
更新期間は自由に定めることができますが、更新期間の最短期間が法定されており、最初の更新は20年、2度目以降は10年です(借地借家法4条)。これより短い期間を定めることはできませんが、これよりも長い期間を定めることは自由です。
 
それ以前に成立した借地契約については旧借地法が適用されます。
旧借地法の適用のある借地契約の存続期間は、建物の種類により下記のとおり区別されています。

建物の種類\存続期間の約定

なし あり
20年未満 20年以上30年未満 30年以上
堅固建物 60年(法定期間) 約定どおり
非堅固建物 30年(法定期間) 約定どおり
更新期間については、堅固建物(石造、土造、煉瓦造またはこれに類するもの)で30年未満、非堅固建物で20年未満を定めた場合は、その約定は効力を有せず、堅固建物で30年、非堅固建物で20年となります。期間の定めをしなかった場合も同様です。
当事者間で、堅固建物で30年以上、非堅固建物で20年以上の定めをすることは自由にできます。
 

建物の種類\更新期間の約定

なし あり
20年未満 20年以上30年未満 30年以上
堅固建物 30年(法定期間) 約定どおり
非堅固建物 20年(法定期間) 約定どおり
イ 法定更新について
法定更新とは、借地借家法の定めに基づいて自動的に契約期間が更新されることをいいます。
法定更新の場合、建物の有無で大きく状況が異なります。建物がある場合は、貸主が一定期限内に異議を述べない限り、以前と同じ契約内容で更新されます(借地借家法5条1項)。また、借主が更新を申請しない場合でも、建物がある場合には、貸主が一定期限内に異議を述べない限り、以前と同じ契約内容で更新されます(使用継続による更新。借地借家法5条2項)。貸主が更新に対し異議を申し立てる場合には、「正当事由」がなければなりません。
 

② 建物賃貸借契約の更新

ア 合意更新について
建物賃貸借契約の合意を更新した場合、当事者が定めた期間が有効ですが、最長で20年であり(民法604条)、1年未満の期間を定めた場合は、期間の定めのないものとみなされます。契約期間を定めなかった場合、あるいは期間の定めがないものとみなされた場合は、いつでも解約の申し入れができますが、明け渡し猶予期間が6ヶ月あり、「正当事由」も必要です。
 
イ 法定更新について
法定更新とは、借家契約において、借地借家法の定めに基づいて自動的に契約期間が更新されることをいいます。借家契約では、当事者が期間満了に際して1年前から6ヵ月前までに、更新拒絶の意思表示をしなかった場合、あるいは条件を変更しなければ更新しない旨の通知をしなかった場合は、更新前の契約内容で更新したものとみなされます。

 

また、貸主から更新拒絶の通知がなされた場合でも、借主が借家の使用を続けているのに、貸主が遅滞なく異議を述べなかった場合も同じです。
貸主が更新を拒絶する通知には、土地の賃貸借契約と同様に貸主の側にも契約の更新を拒絶するに値する「正当な事由」が必要とされます。何が「正当な事由」に当たるかの判断については、土地賃貸借の更新拒絶の場合と同じです。

 

期限到来と共に確実に明け渡しを求めたい場合は、定期借家契約を締結する必要があります。
 

③ 賃料の更新(増額・減額)

原則としては、契約の途中の状況で一方的に賃料の増減はできません。しかしながら、当事者間で合意をした場合には、賃料の増減額請求は可能となります。当事者間で、賃料に関して紛争化してしまった場合には、まずは調停を行うことが法律上要求されています(このことを調停前置主義といいます。少額の値上げのためにいちいち裁判をしていたのでは見合わないからです)。調停でまとまらなかった場合に訴訟という流れになります。賃料について争いがある場合には供託をすることになります。
 

④ 敷金の返還

原状回復は「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義され、その費用は賃借人負担となっています。

 

これに対し、いわゆる経年変化、通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものとされています。したがって、必要以上に敷金から控除されているケースに関しては、早急に弁護士にご相談下さい。
 
不動産に関する契約は、契約条項が多く、複雑であり、トラブルになり易い分野でもあります。なんとなく大丈夫だろうと思って契約をしてしまったら大変なことになったというケースは、少なくありません。もし、不安な点がございましたら、弁護士法人ユスティティア森本綜合法律事務所にご相談下さい。
 

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